谷澤智文

"つづき夢のつづき"

都心から少し離れたこの街には、江戸時代より続く宿場町としての優しさが、当たり前のように息吹いている。
古い建物が立ち並ぶ住宅の中にひっそりと佇む仏閣。
近くの住民たちは、お花を捧げ、合わせた手に、在りし日への、あるいはある人への想いを馳せる。
毎日のお祈りが込められている本堂で、彼らは静かに演奏を始めた。
ひとつひとつの言葉を大事に紡いで歌う傍らで、スティールパンとヘボロが音楽を導いていく。
我々が過ごすこの日常は、時代を経て紡がれた夢の続きの景色かもしれない。

"明日天気になあれ"

1月下旬、春の気配を感じた暖かくて穏やかな日。
関東平野の水田が広がる一帯にポツンと、廃墟となった小屋があった。
遥か遠くカリブ海からやってきたスティールパンを操るトンチと、ブラジルからやってきたパンデイロを操る柳元武司。
地球の裏側では、お祭りに欠かせないとされているこの2つの楽器と、天性のお祭り男谷澤のギターがあわさって、抜けるような青天を祝福するかのように、軽やかな音楽を奏でている。
この三人にかかれば、草臥れた犬小屋の屋根さえも、たちまち打楽器へと変わってしまう。
楽しげな音につられ、住民たちもふらりと遊びに来た。
そして我々は、太陽の熱を存分に浴びた真冬の風に吹かれながら、明日天気になあれと目を合わせ笑いあった。

"気まぐれな恋人"

夕食の時間。今夜は、お好み焼き!厨房とテーブルでは次々にふわふわのお好み焼きが作られ、
ちょっとほろ酔いのタニザワはギターを取って歌い始めた。
伸びやかで気持ちの良いコーラスが加わり、軽快な歌に客も思い思いその時間を楽しんでいる。つい、笑みがこぼれる。
音楽はこんなにも人を楽しませてくれるものなのか!と幸せな気分になりながら、人情味溢れる映像に、人恋しくなってしまいそうだ。

thanks : 味三

"きみにとどけ"

“風来坊”の演奏が終わり、茜色の夕日がゆっくり暮れ空には月が出てきた。
歩いていると、向こうの方でなんだか楽しそうな声がする。
目をやると、そこには広い公園一面で学生たちが放課後のスポーツに明け暮れていた。
ベンチに佇み、灯りに照らされ光と影のその中で、せつなく力強い歌声に乗せた真っ直ぐな想い。
たまに振り返る学生たちのように、あなたにも届きますように。

"風来坊"

銀色の静かな建物に、夜を待つ木々達。
外では慌しい人々の生活が流れている。 それを映すことによって、よりこの空間の静寂が浮かび上がり、
その中で遥か遠くを見据え響きわたる歌に
ずっと隣に居るあなたは、込み上げてくる感情を抑えきれなくなるだろう。

"live"

"爽風"

"くたばれJ-POP"

"世界一周ノスゝメ"

谷澤智文

岐阜県飛騨市出身。2000年上京、都内各所でライブ活動を始める。インディーズレーベルより『陽炎』『七色』『空路』ミニアルバム3枚をリリース。2009年に1stシングル『東京ハロー』でメジャーデビュー。同年リリースした2ndシングル『きみにとどけ』は、日本テレビ系アニメ『君に届け』オープニングに抜擢。 各方面から注目を浴びる。アニメ「君に届け 2ND SEASON」でもオープニング主題歌を手がける。

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